代表挨拶

MESSAGE

持続可能な農業で地域を潤す

 2022年3月、株式会社ジーシーシーはグループ企業の一つとして当社(株式会社ジーシーシーアグリテック)を設立いたしました。親会社であるジーシーシー、その他のグループ会社と同じく、当社は地域社会への貢献を主たる事業目的としています。

 1965年に群馬の地で創業したジーシーシーは、設立当初から各地方公共団体の事務作業をコンピューターで集中処理することで、地域の電算化を進めてきた会社です。今では、地方公共団体が取り扱う大量のデータを最新のデータセンターでお預かりし、集中管理を行い、行政のデジタル化を進めています。そのジーシーシーが、農業に本気で挑戦する場所がジーシーシーアグリテックです。

 ジーシーシーグループが拠点を置く群馬県は農業が盛んで、様々な農作物が生産されています。社屋の近隣には田んぼや畑、果樹園が広がります。グループ会社を含めて社員の中には定年退職後に農業に携わる方もいますし、社員のご家族やご親戚の方が農業に従事しているケースもあります。私たちにとって農業は身近な存在です。

 しかし、日本の農業が抱える課題と同じく、近年は群馬県でも耕地面積が縮小傾向にあり、農業従事者の数も年々減りつつあります。農業は食料の供給という大きな役割を担っており、農業の衰退は地域の衰退、ひいては日本の衰退にも繋がりかねないとの危機感を抱いています。

 こうした状況を変えるべく、生産者の方たちをITの力でサポートしようと考えました。私たちジーシーシーグループはITによる行政事務の改善を中心に、地域社会やそこで暮らす人たちの生活を支えてきた経緯があるからです。例えば、日本の農地の特徴である狭小な農地を預かり、集中管理していければ、今より生産性を上げられる可能性もあります。

 ただし、そうしたITの仕組みを研究開発していく間にも、目の前で失われていく農地があります。埋め立てられた水田。切り株だけが残る果樹園。荒廃した畑。これらを見るにつれ、自分たちも生産者となり、日本の農業の課題に真っ向から挑むしかないと決心しました。

 自ら生産することで自然の厳しさを知り、食料を扱う難しさを知り、農家の方たちの知恵と苦労を知る。そして、これらの情報を言語化、データ化、蓄積していく。そこで初めてITが真価を発揮し、予測と計画が難しい農業という分野にも有効な仕組みを提供できると信じて、私たちは挑戦します。

 人の手とテクノロジーの力を駆使して、ジーシーシーアグリテックは未来の食卓インフラを整備します。

代表取締役社長 町田 敦